その瞳で見つめて~恋心~【完】

「……今日は引き下がります。だけど、覚悟しててくださいね?」

矢野君はいつになく、大人のようにほほえんだ。


や、矢野君って、あんなキャラだったの!?

なんか、危険な感じ……。


どうしよう、やっぱり進藤君に言ったほうがいいよね。


「水嶋」

「え、あ……進藤先輩」

振り返ると、とっくに制服に着替えた進藤先輩だった。


「さっきの、矢野だろ?」

「え。見てたんですか……?」

「ん、たまたまな」