「──水嶋さん?」
「ん……。進藤、君……?」
視界が開けると、真っ白な天井と進藤君の顔が見えた。
その進藤君の表情は心配したと言いたげにしていて、あたしの顔をのぞいている。
下がふかふかして、柔らかい。
ベッド……?
「保健室だよ。気絶したから、運んできたんだよ」
運んでき、た……?
そう言われて、イメージしたのは重そうにあたしを抱える進藤君の姿。
──あたしは飛び起きて、彼に頭を下げた。
「ごめんなさい! 重かったよね……っ」
「大丈夫だったよ? 水嶋さんは背は低いし、痩せてるから。それより、ほら。まだ安静にしてなきゃ」
進藤君はあたしの肩を押してゆっくり押し倒し、布団をかぶせる。
「それにしても、意外だった。水嶋さんって、大胆になるんだね」
「え? ──あ……、えっと、その。つい、ムカついちゃってって言うか」
「ふーん。水嶋さんでもそんなことがあるんだ。予想外な行動だったから、焦ったよ」
進藤君は笑みをこぼしながら、ため息をついて言う。
その複雑な表情をする彼に、どう声をかけたらいいかわからない。
でも、それと同時に、トイレでの出来事を思い出した。

