その瞳で見つめて~恋心~【完】

「進藤隼斗先輩が彼氏なんですよね?」

「うん。だから、あたしは」

「……俺が奪ってもいいですか?」

はい?

奪う……?


戸惑うあたしに、矢野君は少しずつ近づいてくる。


「俺じゃ、ダメですか?」

矢野君は切なそうな声を出す。

こんな矢野君、初めて……。


「あたし、矢野君のことは後輩としか見れないし……。それに、進藤君のことが大好きだから、裏切れないよ……」

気持ちはうれしいよ?

でもやっぱり、大好きな人を裏切るなんてできないよ。