……進藤君は普段見せない、複雑な顔をしている。


「……。さっきの誰?」

「え? あ、さっきの男の子?」

「うん」

「テニス部の後輩だよ?」

「へえ……」

なんで、そんなこと気にしたの?


「教室行こっか」

「え。う、うん」

さっきからどうしたのかな。


あたし、何かマズいことでもしたのかな……?


だけど、なんだか訊ける雰囲気じゃなかったから、質問することができなかった。