あたしが目をつむっている間、何があったのかわからずに呆然とする。
でも、唯一わかることは、進藤君は彼女の手を掴んで、あたしを守ってくれたんだ。
けれども、そこで問題が発生してしまう。
この場所は女子トイレ──。
それなのに、進藤君は個室から出てきたんだ。
まずいことをしてしまったんじゃないか。
そう思って、悔やむ表情を浮かべているだろう進藤君の顔を見る。
でも、あたしの考えは間違っていて、彼は不機嫌そうに眉間にしわを寄せて、彼女たちを威圧するように見下ろしている。
「あー、よかった。こんなヤツと別れて。──1つ、忠告してあげるよ。水嶋さんに痛い思いさせたら、俺、マジにキレるよ?」
口調こそは変わらないけど、誰が聞いても声はいつもより低くて、キレる寸前だということが明らか。
そんな進藤君を初めて見たのか、女子たちは怯んで進藤君の手を振り払ってトイレから逃げていった。
「──はぁーっ。ヒヤヒヤした……っ」
進藤君はものすごく緊張したみたいで、大きく息を吐いた。
その瞬間、張りつめていたあたしの緊張の糸も切れてしまったらしい。
「水嶋さん!?」
意識が遠のいていった末、あたしはその場に倒れた──。
でも、唯一わかることは、進藤君は彼女の手を掴んで、あたしを守ってくれたんだ。
けれども、そこで問題が発生してしまう。
この場所は女子トイレ──。
それなのに、進藤君は個室から出てきたんだ。
まずいことをしてしまったんじゃないか。
そう思って、悔やむ表情を浮かべているだろう進藤君の顔を見る。
でも、あたしの考えは間違っていて、彼は不機嫌そうに眉間にしわを寄せて、彼女たちを威圧するように見下ろしている。
「あー、よかった。こんなヤツと別れて。──1つ、忠告してあげるよ。水嶋さんに痛い思いさせたら、俺、マジにキレるよ?」
口調こそは変わらないけど、誰が聞いても声はいつもより低くて、キレる寸前だということが明らか。
そんな進藤君を初めて見たのか、女子たちは怯んで進藤君の手を振り払ってトイレから逃げていった。
「──はぁーっ。ヒヤヒヤした……っ」
進藤君はものすごく緊張したみたいで、大きく息を吐いた。
その瞬間、張りつめていたあたしの緊張の糸も切れてしまったらしい。
「水嶋さん!?」
意識が遠のいていった末、あたしはその場に倒れた──。

