進藤君と別れた二日後の月曜日の朝。


「由奈、おはよう! そして、おめでとう」

「え? 何が?」

「進藤と復活したんでしょ!?」

「え。あ……うん」

教室に入ったと同時に奈月ちゃんがこちらに駆け寄ってきて、まるで自分のことのように満面の笑みを浮かべて祝福してくれた。

なぜか、あたしたちのことを知っていた彼女の情報収集の早さに感心する。


「ホントにおめでとう、由奈!」

「う、うん。ありがとう」

「おはよ~……」

気がつけば、進藤君の席のそばで騒いでいたらしい。

彼は今まで机に突っ伏して眠っていたみたいで、朝の挨拶をしつつも、まだ寝足りないと訴えるがの如しに背伸びをしながら欠伸をする。


「進藤はもう、由奈を泣かさないでよね?」

「はいはい。大丈夫だって」

「ハイは一回でしょ?」

「はいはい。──うわ。目が怖いって。柊さん」

奈月ちゃんはじとーと進藤君を白い目で睨んでいて、確かに怖かった。


「何だよ、進藤ー。ちゃっかり復縁しやがって」

「とりあえず、おめでとう!」

あたしたちが話し込んでいる最中にクラスメートたちが茶化してきた。

いつの間にか、クラス中にも知れ渡っていて驚く。


「まあ、俺が公表しちゃったからね」

「余計なことだよ、それ……」

進藤君はもう一度睡眠を取ろうと机上に顔を伏せながら、白状した。


進藤君が犯人なんだ。
そこはガマンしてほしかったなぁ……。