──休みが明けた月曜の部活の終わりに、あたしは進藤先輩にいい返事をした。


進藤先輩はとびっきりの笑顔を見せて、とても喜んでくれた。

彼女だった真実さんのことや、あたしの彼氏だった弟の進藤君の気持ちなんて、ちっとも頭に入っていないぐらいに。


──これがあたしが最初に望んだ恋。

でも、これはもう、恋とは呼べない感情。


あたしは、進藤君のことをあきらめる。
ううん。
あきらめなきゃ。


進藤君の今にでも泣き出しそうな悲しい表情を想像しつつ、新しい彼氏となる彼の笑顔を見て、ぎゅっと手を握る。


進藤先輩を悲しませたくない──。
だからあたし、がんばります。
がんばって、先輩に尽くします……。