【健side】
椎那がインフルエンザになった。
原因は、俺。
せっかくお見舞いに来てくれたのに・・・移してしまった。
家までは運んだけど・・・
悪いのは俺だから、とりあえず俺のできる事をとことんしようと思って聞いた。
「何してほしい?」
すると椎那は、え?、と言ったあと突然顔を赤らめ、俺と目を一度合わせてまたそらした。
何か隠してやがる。
そう確信した俺は椎那と無理矢理視線を合わせて問い詰めた。
「こっち向けよ。なぁ、何してほしいの?」
さらに真っ赤になった椎那は、俺の目をじっと見てつぶやくように言った。
「・・・・ずっとそばにいて?どこにも行かないで?」
意外だった。
言葉を言い終わったあとも、寂しそうな目で俺を見ている。
今にも泣きそうな・・・そんな感じ。
そうか、不安だったんだな。
ミカのことにしろ、なんにしろ・・・
不安、少しでもなくさなきゃな。
どうすればなくせるか・・・でも、答えはもう決まっている。
「離れるわけねぇだろ。バーカ」
「む・・・バカじゃないもん!!」
明日も、明後日も、その先、見えない未来も。
2人で泣いて、2人で笑って、2人で悩んで、2人で生きて・・・
〝ずっと一緒にいよう〟
そう想いを込めて、俺は額に口づけをした。

