「・・・いな・・・しいな?」
荒城の声がした。
「何?」
「夜だけど」
・・・ん?
なんですと?
「え、夜?よ、よるって言った?」
「言った。椎那、爆睡してた」
うそ―――ん!!!!!
「まぁ、もうおれは大丈夫。もう暗いし送るわ」
「そっか・・・無理しないでね?」
「おぅ♪行こうぜ」
荒城に手を引かれて、部屋から出ようとした、その時。
「あっ・・・・・・」
立ちくらみか貧血か・・・よくわからないけど、視界が揺らいだ。
何、これ・・・むり・・・
ついに立っていられなくなって、あたしは床にしゃがみ込んだ。
「おぃ・・・大丈夫か?・・・貧血・・・って、椎那熱あるじゃん・・・もしかして俺のせい・・・」
何か・・・言ってる・・・?
言ってるけど・・・聞き取れない・・・
でも・・・知らない間に、あたしはこんなことを口走っていた。
「あたし・・・荒城を看病しに来た・・・のに、ぎ、逆・・・だね・・・何も役に立てて・・・なかった・・・ごめんね・・・」
言い終わった後、あたしの意識は飛んでいった。
荒城の腕で包まれたまま・・・

