ぎゅう・・・
荒城の力が強くなった。
あたしの鼓動もおさまる事を知らない。
今、この広場にいるのはあたしと荒城、二人だけ。
沈黙が流れる。
・・・言い換えると、もはや荒城の声しか聞こえない。
「荒・・・」
「俺が・・・俺が、何で〝山内〟を知っていたか・・・分かるか?」
え、あ・・・そういえば・・・荒城が転校してきた日・・・
〝山内・・・だよな?よろしく〟
理由を聞いたけど、答えてくれなかったっけ?
あたしは首を横に振った。
「俺が何で・・・山内だけにアドレスを教えたと思う?」
他の女子に聞かれても答えなかった荒城が・・・
あたしにはすんなり教えてくれた。
あたしはまた、首を横に振った。
「じゃあ・・・何で俺が今・・・山内を抱きしめていると思う?」
・・・期待・・・してもいいの?
「・・・なんで・・・?」
あたしは、か細い声で聞いた。
どうか・・・あたしが期待している答えでありますように・・・
あたしは、目をつむった。
しばらくして・・・荒城は耳元で言った。
「全部・・・椎那の事が好きだからに決まってんだろ・・・気づけ、バカ・・・」

