「ミ・・・カさん・・・」
さっき帰ったんじゃないの?
あ・・・もしかして・・・
〝その名前、忘れないから♪〟
そうだ・・・名前まで聞いてた。
「言い忘れたことがあるの」
い、言い忘れ?
するとミカさんはスタスタと寄ってきて、耳元で言った。
「さっきも言ったけど・・・健はあたしのものよ。今の幸せ気分なんか、すぐにぶち壊してやるから。それまでせいぜい、楽しむことね」
見下すように言い放ち、出て行った。
再び、一人になったあたし・・・。
・・・。
・・・やばい、また泣きそうだ。
けど・・・もう泣かない。
さっき決めたもん。
想い続ける、って。
負けない・・・負けるもんか。
「って・・・荒城待たせたままだ!!」
あれから何分たっただろう・・・
とにかく戻らなきゃ!!
「大丈夫、笑顔・・・笑顔」
あたしは外に出て、荒城を探した。

