重い沈黙・・・。
荒城は、怒りと困惑が混ざったような表情を浮かべていた。
「・・・ごめん」
沈黙を破ったのは荒城だった。
「アイツは・・・前の学校で付き合ってたヤツ。でも・・・本当のミカは、俺の友達をいじめている首謀者だった。そっから、アイツに対する感情は何もなくなった」
「・・・・今も?」
「あぁ。この世で一番ってくらい、嫌い」
嫌い・・・なんだ。
その言葉に安堵している自分がいる。
あたし、最低だな。
「今は本当に何もないから。だから・・・さっきのは忘れて?・・・ポンポン」
荒城はいつもの笑顔であたしの頭を撫でた。
あー・・・やばい・・・でも、笑わなきゃ。
「誰しも元カノぐらいいるよ。仕方ないない!今を楽しもう!・・・トイレ行ってくるね」
あたしはトイレへ駆け込み・・・声を押し殺して、泣いた。
「うっ・・・ひっく・・・あ、・・・あらき・・・」
しばらくうずくまって泣いた。
あの人が聞いていることも、気づかずに。

