恋する気持ち


誰・・・誰なの?



状況が、分かんない。



「お前には関係ねぇだろ?」



あ・・・いつもの荒城じゃない。



低い声で返事をする荒城。



でも、女の人が引き下がる様子はない。



「え~ひどくなぁ~い??つい最近まで健の〝彼女〟だったのにぃ~」



え・・・



え・・・・?



い、今・・・〝つい最近まで健の彼女〟って・・・



荒城と付き合ってた人・・・



ズキッ―――――



・・・今まで感じた事のない胸の痛み



さっき取ってくれたぬいぐるみを持つ手に力が入る。



あたしがずっと女の人を見ていたら、その人があたしの方を向いて言った。



「あぁ~、あたしね、ミカって言って~、健の元カノ♪」



「・・・・・」



「もういいだろ?お前とは終わってんだ。ほら、行こうぜ」



つながれたままの手を引く荒城。



でも・・・



「え~待ってよぉ~。・・・ねぇ、あんた名前は?」



え・・・・



「あ・・・や、山内・・・椎那・・・です」



なに、何で聞くの・・・?



聞き終わると、女の人ーミカさんは、勝ち誇ったような顔をしてつぶやいた。



「ふ~ん、椎那・・・。その名前、忘れないから♪」



ミカさんは、笑顔で去っていった。