恋する気持ち


「あ、荒城・・・!!」



荒城は、明らかいつもとは違う表情で、その男の手を掴んでいた。



「ちっ、こいつもかよ・・・」



そう言い残し、男は去っていった。



・・・怖かった・・・



その場にしゃがみ込んだあたし。



安心か恐怖か、体の震えが止まらない。



その姿を見た荒城は、



「!? おい、大丈夫か!?・・・ごめん、俺が先に行ったから・・・」



「大・・・丈夫。荒城のせいじゃないから。助けてくれてありがとう」



〝おい、その女、俺の。離してくんない?〟



あたしを守ってくれた荒城・・・すっごくかっこよかった・・・



また・・・また好きになっちゃったじゃん。



すると、



「立てる?とりあえず、あっちにベンチあるし、そこで休もう」



グイッ



あっ・・・手・・・



さっきの人とは違い、安心感のある温かい手・・・



荒城の手・・・大きいなぁ。



〝ずっとつないでいたい〟



そう想える手。



・・・あたしたち



本当のカレカノだったらなぁ・・・。