「山内?」
「へ?」
荒城の声で我に帰る。
あーっ、あたし何してた!?
「そんなにガン見されたら俺、期待するじゃねぇかよ」
「え・・・」
きっ、期待・・・って、何の?
まさか・・・、や、ない・・・ないない。
「もっかい言うけど、んな顔されたら俺持たねぇよ?」
「そんな顔って・・・どんな・・・・・」
「山内の照れてる顔」
荒城が間髪を入れず言った。
そして、いつものように寄ってくる。
荒城のキレイな瞳から、目が離せない・・・
「な・・・なに?」
あたしが聞くと、荒城はニヤっと笑って言った。
「山内の照れてる顔、好き」
あぁ・・・好き・・・・・はぁ!?!?
「い、いま、あらき・・・す・・・すき、好きって」
「言ったよ?その顔好きって」
あ、そか・・・顔・・・・・、ね。
〝あたし〟じゃなくて〝顔〟ね・・・
ちょっとショック。
でも・・・・
あんな近くで目を見て〝好き〟だなんて言われたら・・・
心臓もたないよ・・・

