おっさんの話もそろそろ終わりかと思い始めた頃。



さっきまでとはうらはらに、顔が輝かしくなった。



「そして今日は転校生を紹介する。みんな仲良くしろよ~?」



て、転校生!?



どんな人だろう・・・



イケメン?美少女?秀才?・・・地味?



エリもそれが気になるらしく、


〝どんな人かな?〟


と口パクで聞いてきた。


〝楽しみだね〟


あたしも返した。



「よし、荒城、入ってこい」



教室に入って来た〝荒城〟って人は・・・



イケメン、という部類にはいると思う。



うーん、わかるのはそのくらい。



「荒城、みんなに一言」



おっさんが言ってしばらくしたあとで、荒城が口を開いた。




「荒城 健(アラキ タケル)です。よろしく」




こいつ・・・無愛想だ。



「荒城は・・・窓際2列目の一番後ろな」



うそ・・・あたしの隣!?



どうしよう・・・何か気まずいよぉ~・・・



あたし人見知りだし・・・



困惑するなか、荒城は無言であたしの隣にすわった。




このときから、運命は巡りはじめていたのかも知れない・・・・