恋する気持ち




『おっさんの話(授業)って長いよね。まだ30分もあるよ?』



こんな感じでいいかな。



よしっ、送信!!



何て返ってくるかな?



すると、荒城からメールが届いた。



早いなぁ…内容は…っと。



『確かに、まじダルいな…。サボりてぇー』



『あたしもー。おっさんって前からこんな感じなんだよ』



『へぇー。俺の前の学校じゃ―――…』



授業中、ずっとこんなやりとりをしていた。



そして、



〝キーンコーンカーンコーン〟



「よし、今日はここまで」



授業終了のチャイムが鳴り、おっさんは教室を出て行った。



「やっと授業終わったな」



荒城が話しかけてきた。



「うん」



「ま、退屈しなくてすんでよかった。お前とのメール、楽しかったし」



え…。



「ありがとな、山内」



そう言い残し、荒城も教室から出て行った。



…あたしも楽しかったよ。



そしてなにより、さっき荒城が言った一言、



〝ありがとな〟が嬉しかった。



…こちらこそありがとね―――――。