『今のってわざとじゃないの?』『だよね!! ムカつく!!』
いやいや!あなたたちのせいだよ!?
・・・とは言えず。
「・・・うん、気をつけるよ」
とエリに言った。
数分後、荒城が戻ってきた。
『荒城くん、どこ行ってたの-?』
「別にどこでもいいだろ」
『えー、教えてよぉ-。でも、そこがまたかっこいいよねー!!』
また女子たちが荒城を囲んでいる。
「椎那も行っとく?」
「いや無理。あそこだけは入りたくない」
「言うねぇー。・・・んじゃメールアドレスきけばっ?」
「うん・・・って、メアド!?」
危ない・・・聞き逃すところだった。
「メールなら誰にもジャマされないし、話しやすいでしょ?」
「そ・・・そりゃそうだけど・・・」
きけるわけないじゃん!
「ムリだって!あたし荒城に迷惑かけちゃう・・・」
「なに言ってんのさ!大丈夫だって!」
「うん・・・」
あたしだってききたいよ?
ききたいけど・・・そんな勇気なんてない。
誰か、あたしに勇気をちょうだい・・・。

