そこまで笑わなくって……。
「あの時の加菜の顔ったら、超ウケる!」
「そこまで笑わなくっていいじゃん…………」
私がぶつぶつ言っていると、りなが化粧道具を片しながら言った。
「でも、なんで私たちのこと知ってたんだろうね」
確かに。
「もう行こっか」
10分くらい、トイレにいただろうか。
りなのその一言を最後に映画館の女子トイレを出た。
二人より少し遅れてトイレを出た私。
「あ……」
二人に追いつくために、小走り。
トイレを出たら、二人が止まっているのを見て私も止まった。
すると、すぐに視線が重なった。
トイレを出ると、映画を見る前とは比べものにならない程がら空き。

