「お疲れ様でしたー!」
私は3分もかからない速さで私服に着替えまるで逃げるように職場を後にした。足早に少し離れた駐車場まで歩き、自分の車に乗り込むと今日一日の体中にたまったストレスを全て吐き出すかのように大きなため息をついた。
カバンから携帯電話を取り出し、着信履歴を確認すれば思ったとおりカレシの一弥(カズヤ)からの一件のみ。
そして日課のように、一弥に電話をかけた。
「もしもし」
「おう。仕事終わった?」と、一弥。
「うん」
「今日どうする?家来る?」
「どうしよっかなぁ。疲れたけど行こっかなー」
「じゃタバコとコーラお願いねー!」
「え〜またぁ〜?じゃあ、つけだからね!」
わかりきっていた。
一弥の口から出る言葉はだいたい毎日おんなじ。
彼もバイトして収入はあるけど、一週間かそこらで給料のほとんどを使い果たすから私がタバコやらを買ってあげてるような状態になりつつある。最近では手帳につけてはいるけど、来月も返ってくる見込みはなさそうだ。
一弥は私の2つ年下のハタチ。付き合い始めて4年。
簡単に言えば、マンネリ化していた。何度が別れたりよりを戻したりもした。