連れて来られたのは、 二階の教室から一つ上がった 三階の美術室の前。 なに?なんなの?? 手首をつかまれたまま 中田の背中を見て混乱していた。 「俺、中田一樹(なかたかずき)」 「…あ、はい…」 いきなり自己紹介? しかもまだ背中向けたままだし… と思った矢先、中田は振り向いて言った。 「ずっと前から好きでした。 俺と付き合ってください♪」 …… えええええええええっっ‼? この時、もう唄は始まっていたんだ。