「お前は、まだ子どもなんだから、どんどん夢をみて憧れればいい。」

「桜は?」

「ん?」

桜に問いかければ首を傾げて僕をみた。

「桜は夢ないの?」

僕がそう続ければ桜の笑い声がもれた。

「夢か…そんなの考えたこと無いな。」

なんで?というふうに桜を見つめれば桜は理由を続けた。

「俺自身が、すでに夢のなかに生きているからな。」

「ふーん。じゃあ、いま考えてよ。」


そう僕が言えば、桜は唸ってみせた。

「難しいな…そうだ、お前は、たくさん夢があると言っていたな?」

うん?と首を傾げれば桜は言葉を続けた。


「お前の夢を、もっと聞かせろ。それが俺の夢のヒントになるはずだ」