―――…「…り!!」 うーん…うるさいなぁ。 意識の遠くから聞こえるどなり声。 「あいりっ!起きなさいっ」 「わぁぁぁっ?!」 勢いよく飛び起きると、目の前に床が迫っていた。 ベッドから落ち…―――― ドスン 「いたた…」 「まったく……。はい」 しかめっ面のお母さんから手渡された、受話器。 「え」 「楠って、言ってたけど…この間の子じゃないの?」 楠…どっちの? 半信半疑であたしは受話器を受け取った。 こわい。