妄想店長~大人と子供~

 雨に濡れて癖の強くなった髪をガシガシと掻く貴方は、大きな溜め息を吐いて再び私を睨む。

「ヘラヘラすんな。」

「そんなつもりないんですけどねぇ。」

 しっかりヘラッと笑ってしまった私に、貴方はやっぱり溜め息。

「何で、嘘っぱちの笑顔作ってんだよ?ムカつく。」

 あぁ、しまった。

 貴方に私の笑顔が通用しない事を失念していました。

 それがきっかけで貴方に惹かれたくせに。

「元々、こんな顔です。」

 そう、これが私。

 貴方に会うまではこれが私だったんです。

 嘘っぱちと言うこの顔の方が真実なんですよ。