妄想店長~大人と子供~

 小娘の右手が置いていたカウンターを離れて上へ上がる。

 カウンターを叩いた所為で翻した掌が綺麗な桃色に染まっているのを、私は見惚れるように見つめていた。

 桃色の花びらが舞っている様に見えたんです。

 言葉に出来ない悲しみと怒りが相手に伝わらない時、人はその行動に駆られる事がある。

 あぁ、あの花びらは貴方を引叩く気です。

 硬く冷たい物を叩くのと、柔らかく温かい者を叩くのではどちらが痛いでしょうか?

 それでも、気持ちが晴れるかもしれない、と言う最後の望み。