「最近の子は飽きるのが早いんでしょ。別にバイトなんて要らないですよ。アタシ一人で充分。」


 父親の冷たい目も何のその、笑顔で言った私はちゃんと知っている。

 この父親が何だかんだ、私に甘い事を。

 自分で言うのも何ですが恵まれた容姿の私が嫁にも行かず、その容姿を利用して適当に遊んで暮らしている事を父親は知らない。

 ホラ、知らない方が幸せな事ってあるでしょう?

 世間から見れば結婚適齢期の私。

 女性の社会進出に伴って薄れてきたとは言え、誰もが心の隅に結婚と言う未来を想い描く年齢。

 それが私には全くなかったりする。

 容姿端麗。

 頭脳明晰。

 自身の優れた部を自覚している私は、同時に自分の性格や思考が他人に受け入れられない事も自覚している。