妄想店長~大人と子供~


 立ち上がって財布を取り出しながら男は、もう一度貴方を見て笑った。


「学生が付き合うには少々、手に余るかもな。翠の周りには俺みたいなのがわんさかいるぞ?」


 この男なりの応援の言葉なのが理解出来たのは私だけ。

 神妙な顔付きで意味有り気な言葉を吐き出してくれる男に、貴方は敵意剥き出しで私をきつく抱き締めた。


「あんたなんかに負けないからな。」


 否、竜哉サン?

 そんなにこの男の思う壺に行動してどうするんです?

 喜ばせるだけですよ。


「竜哉サン、苦しいですよ。」


 まるで玩具を取り上げられないように必死になっている子供です。

 気持ちは嬉しいですが、この男が業と貴方を怒らせて遊んでいる事くらい気付いて下さい。