私から離れようとした貴方をきつく抱き寄せた私に、貴方が本気で抵抗しだす。
「放してやれよ。嫌がってるよ?男が女に抱き締められるなんて格好悪いもんなぁ?翠は姉御肌だから気持ちは分からんでもないけどね。」
使っていたフォークを貴方の方に向けて言う男が笑う。
ピクリと動きを止めた貴方が、男のからかいの言葉に顔を上げた。
真っ直ぐに男を見据える貴方の瞳が微かに揺れる。
「そいつ、何だよ?翠さんと一緒に暮らしてたって・・・。」
男を見据えたまま私の腕の中で身を捩りながら呟いた貴方の言葉に、私は固まり、男は大口を開けて笑い出した。
「うははっ!良いね。若いって。」
笑いながら食事に戻る男に、私は溜め息を吐く。

