私作曲の鼻歌を口ずさみながら、完成したパスタとサラダを盛り付けていると、店内とキッチンを仕切っていた障子扉が勢い良く開いて、眉を吊り上げた貴方が入って来る。
開け放たれたままの障子扉の向こう、店内のカウンターに座る男が面白そうに笑い身を乗り出して此方を覗いている。
「どうしたんです?」
私を睨む貴方にでなく、店内の男に問い掛ける私に、貴方の瞳が揺れた。
この幼なじみの男が貴方を怒らせたのは明らか。
綺麗に盛り付けたパスタとサラダをトレイに乗せた私は、それを貴方に渡す。
貴方は嫌々受け取ったけれど、店内に背を向けたまま眉間に皺を寄せて私を睨んだ。
怒りながら瞳を揺らす貴方に、私は視線でトレイを運ぶように促した。
「嫌だ。」
パサパサと髪を揺らして首を降った貴方が、泣きそうな顔をしている。
あの男は何を言って貴方を悲しませているんでしょうか。
貴方を虐めて良いのは私だけなんですけどね?

