不満たっぷりに唇を尖らせている貴方は、大きく溜め息を吐いて、何故か面倒臭そう小さく舌打ちした。
一度、諦めたように伏せられた貴方の瞼が、私達の間に暫しの沈黙を作る。
それを降参の合図と受け取った私は、貴方の上から退こうと腰を僅かに浮かせた。
元々、本気じゃない。
貴方の前では常に余裕な大人である事を示したかっただけです。
貴方もそれが分かっているから早々に降参の白旗を掲げた。
それが、これ以上私にからかわれない得策だと理解したのでしょう。
次の瞬間、再び私を見た貴方の顔がいつもと違う表情を作っている事に、私は気づくのが遅れてしまっていたんです。
にんまり笑った貴方の顔は、私に毒されたのでしょうか、酷く意地悪で、そんな貴方に見惚れた私が貴方の行動に付いて行けなかったのは油断した所為。
勝利を確信して疑わなかった私は、自分に酔いしれ隙だらけだったんです。

