妄想店長~大人と子供~


 間接照明だけが灯る室内は、貴方にとっては薄気味悪いものかもしれませんね。

 短い廊下とリビングを突っ切って、私は真っ直ぐ寝室の扉を開けた。

 冷たい板張りにフランス製の華奢な天蓋付きのダブルベッド、カウチもドレッサーも繊細な細い足の付いた物ばかり、間違いなくこの寝室だけは私の趣味です。

 和風の古民家ですが、寝室だけは和風にしなかった。

 寝る時くらい好きな物に囲まれていたいじゃないですか。

 意外にロマンチストなんです。

 人には見せられませんけどね。

 私のイメージもありますし。

 父に言わせれば悪趣味も良いとこの菫色のレースの天蓋は、私にとってはお気に入りです。

 そこに居る時が一番心休まるんですから仕方ない。

 ほら、アレですよ。

 学校の保健室のベッド。

 カーテンを閉めてしまえば安心しませんか?

 どんなに外が騒がしくても、そこだけは自分だけの空間の様な気がして、妙に熟睡できたりするでしょ。

 そんな感じになるのは私だけですかね?