“ガラガラ・・”



旧校舎・第三音楽室。


その、木製の重々しい扉の向こうには、俺の思い通りのアイツが居た。



窓際の席の机に座り、足をブラブラさせながら窓から空を見ていた。



「よ。やっぱり・・・ここに居たな?」



俺の声に“ピクリ”と反応したアイツは、ゆっくりと目線を俺に向けた。



「・・・ジン・・。」



アイツは、俺の名前を呼ぶと、目を反らし、俯いた。



「何だよ、元気無いじゃん。らしくないんじゃね?」



俺はそう言いながら、アイツの正面の机に座った。



ここ、旧校舎の第三音楽室は俺達が付き合っていた時、良く使っていた場所。



授業中のサボり場として・・・。


・・・そういう行為を・・する場所として・・・。