顔をあげると、背の高い人が居た。
その人と手が重なったのだ。

『すみません…』
「あ…いえ、良いんです」

あれ?人と重なると、通り抜けちゃうのに背の高い人とはぶつかったのは何でだ?

『あの…私が見えるんですか?』
私は疑問に思ったことを言った。
「え?」
背の高い人は首を傾げて答えた。

『周り…の人、私が見えないんですよ』
そう言うと、背の高い人は
「俺、霊感強いんですかね」
そう言って笑った。