「清水が一緒に歩いてたのは、親戚のおじさんらしいです。
それに僕だけに教えてくれたのですが、彼女は男性恐怖症らしく、だから教室に居るのが苦手なんだと話してくれました。」


清水と女共を帰した後で、集まった教師連中に適当な言葉を並べた。


積み上げてきた俺の信用のたまものなのか、

はたまた私立校だけに問題が起きるのを特に嫌うのか。


あんまり納得してないようだけど、一応これで事が片付いた。


てゆーか、信じてる風な養護教諭のババアには、ちょっと良心が痛むけど。


ごめんね、俺、教師に向いてないって自分でもわかってるから。


間違って採用しちゃった理事長を恨んでね?





やれやれと家に帰り、さすがに疲労困ぱいな体をベッドに投げた。


時計を見ると、まだ6時。


清水が来るのはいつも大抵夜中だから、それまで結構心配だったり。


だけどもしかして、白石誠に慰めてもらてるんじゃないかと思うと、

ぶっちゃけかなりムカついたりもする。



―ピーンポーン…

「…誰だよ…」


一眠りしようと思った矢先に玄関からチャイムの音が聞こえた。


仕方なく重い体を起こし、呼ばれるように足を進めた。



―ガチャ…

「―――ッ!」


ドアを開けた瞬間、何故か居た清水に驚く暇もなく抱きつかれた。


突然のことに停止しちゃってる思考回路で、とりあえず名前を呼んだ。



「…清水…?」



てゆーか、こんなことをするってことは、偽物なのか?


急いでドアを閉めたは良いが、そのままの状態で立ち尽くす俺。


益々濃厚になる、別人説。


どう見ても清水なんだけど、中身が違ったりするのかもしれない。