「じゃあ、教えてやるわよ!
努がアンタのことが好きだから、あたしに向かって“別れよう”とか言うのよ?!
どーせ、アンタが努に変なことしたんでしょ?!」


「アンタはエンコーしてるし、男タラし込むなんて余裕なんでしょうね!」



待て、落ち着きなさい。


それってみんなの前で、思いっきり自分の負けを認めてるんじゃないの?


しかもあたし、何にも関係ないじゃん。


てゆーか、“努”本人出て来いよ。



「黙ってないで何とか言いなさいよ!
どーせ、何も言えないから黙ってるんでしょ?!」


「―――ッ!」


瞬間、さすがのあたしもブチッと音が聞こえた気がして。


その胸ぐらを掴むと、視界一面にブサイクに目を見開く女の顔が占める。



「待て、やめろ清水!」


「―――ッ!」


その瞬間に、気付いたら振り上げていた右手が、声と共に掴まれた。


ゆっくりと振り返ると、岡部の真剣な顔があった。



「…邪魔しないでよ。」


「とりあえず、3人共職員室だ!」


言うあたしの方も見ずにそう言った岡部は、

抵抗するあたしを引きづるように職員室へと足を進める。


舌打ちしやがった女共も、ナントカ先生によってあたしの後ろから職員室に連行されて。





「…あたし被害者だし、離してくれない?」


「何が被害者よ!
それはあたしなんだから!」


やっと職員室まで生徒の波を掻き分けながらやってくると、

まだ怒ってる女共が相変わらずあたしに向かって怒鳴ってる。


だけど今度は教師達があたし達を取り囲むので、仕方なく女共は口をつぐんだ。