「あー!繭のそのリップって新作のやつじゃん」



響子が羨ましそうに言った。



「お母さんにねだって買ってきてもらっちゃった♪」



私の家は一般的な家庭よりちょっと裕福。
だだそれだけだけど、欲しいものが
すぐに手に入るからラッキーって思ってる。



「いいなぁ繭は。お父さんが会社の社長なんだもん。ウチなんかサラリーマンだよ?サラリーマン。」


「社長って言っても小さい会社だからさ」



でも~と、口を尖らせる響子。


今日もいつもと変わらない日常。



早く彼氏の一人や二人…できないかなぁ。