トマトときゅうり



 この素晴らしい世界で、もう少し浮かんでいたくはない?

 端のほうはすでに青色が生まれつつある。ピンクから紫へと見る見るかわって、群青の雲もやってきた。


 なんて素敵な。


・・・だけど・・。

 光を確認する。

 やっぱり。

 私は

 あそこに行きたい。


 あそこに何があるのか、見たいもの。


 行こう、あの光のところへ。



 飛び始める。飛び方は知っていた。ぐんぐん勢いを増して、光だけを一心にみつめて飛ぶ。

 風が髪を撒き散らして耳元で鳴る。

 ああ、もう少し・・・あとちょっとで・・・。


 光が大きくなって近づき、その中へ飛び込んだ。

 
 と、場面が変わった。