こんなに頑張っていても、生活レベルをあげるのにはもっと頑張らなくちゃいけないんだという現実。
この春先はもう無理ってくらい、毎日泣いていたものだ。
いかんいかん・・・また暗くなってきた。
せっかく高級アイスを手にもっているのに。
「ここで食べてくか?」
ぼそりときゅうりが呟いて、公園を指した。
まだ4時20分・・・。たしかに、事務所では怒号が響いてる最中だろう。
「はい、そうします」
ちょっと迷って答えた。
本当は、きゅうりと一緒にいることが複雑だっただけ。
私をからかっていない時のきゅうりは完全に紳士だ。それは私をドギマギさせる。今もどっちかといえば紳士的な振る舞いをみているから、その姿を見ても格好いいなあとしか思わない。
でもそれでは困るのだ。からかわれて憎しみを覚えれば、こんなに困らなくて済むのにな・・・。
ベンチに腰掛けて、カップの蓋をあける。
チョコレートの甘い香りについ頬が緩んでしまう。うーん、これを食べれるなんて、ほんと幸せ。
ニマニマと笑っていたら、きゅうりの声が聞こえた。
「嬉しそうだなー、そんなに美味いのか?味見させて」
きゅうりが横から覗き込むから、身をひいて横にずれる。ち、近い近い!



