青山さんを心配していた緊張も解けたし、本当は甘いもの大歓迎だったけど、ここは一応、断っとこ・・・。
「いいですよ。おかずだって、楠本さんちょっとしか食べてないじゃないですか。それに、長谷寺さんのことは、青山さんと楠本さんの頑張りですよ」
「いいから選べ。会社も戻んねーといけないんだから、早く」
また眉間にしわよせて・・・。面白かったのと青山さんの成果効果でテンションの高かった私は、少し度胸がついていたのだ、と思いたい。
しわを寄せたきゅうりの眉間を人差し指でさらっと撫でてしまった。
「・・・お?」
「眉間、しわ寄ってますよ。綺麗なお顔が台無しです」
くくくと笑いも漏れてしまう。
「・・・・」
きゅうりはちょっと目を見開いた後、ぷいとよそを向いてしまった。
ありゃ、怒らせたかな?
やりすぎた?焦って言葉を繋げる。
「あの、じゃあ・・・お言葉に甘えます」
「おう、甘えろ」
振り返ったきゅうりが機嫌良さげだったので、安心した私はアイスクリームを指差した。
「これがいいです」
「了解」
カップアイス。チョコレートアイスのクッキーが差し込んであって、上にホイップまでかかっている、自分的には『高級な』アイスクリーム。滅多なことでは買えない。



