トマトときゅうり



 仲間さんが知っていたのは、私の風邪と元気のなさの原因がきゅうりかもってことだけ。

 それでいきなり殴るって、凄い・・・。

 私が口をあけっぱなしでバカみたいにきゅうりを見ていると、彼は続けて話す。

「こっちが呆然としてたら、瀬川さんに何したの、って詰め寄られて―――」

「・・・話したんですか、あの、昨日の事!?」

「そう」

 ひょええええええー!!何てことだ!・・・ああ、駄目、もう恥ずかしくて仲間さんとは顔を合わせられない・・・(彼女は喜びそうだけど)。

 私が心の中で絶叫して一人で動揺している間もきゅうりは淡々と話す。

「お前を連れてって、お客さんに彼女だって紹介したって言ったら般若みたいになって罵られたけど、その・・・その後の事になったら今度は褒められた」

「・・・はい?」

 流石に照れくさそうな顔して、きゅうりがそっぽ向く。

 その後のこと。・・・それは、まさか。

「・・・で、仲間が嬉しそうな顔になって、何て面倒臭い人たちなのって、言って――――ここに居るんだ」

 ・・・いやいやいや、省きすぎでしょ。

「・・・あのー。ちっとも判りません」

「とにかく、ちゃんと話をしなさいって連れてこられたんだ。・・・まあ、一人でも来ようと思ってたからいいんだけどな」