トマトときゅうり



「昨日のこと。――――お前、風邪引いたって聞いたけど、大丈夫か?」

「・・・はい。1日寝て、熱も下がりましたので」

「ん、良かった」

 間が空いた。部屋の真ん中で止まって座り、こちらを見詰めるきゅうりを感じて、胸もとで握りしめている毛布に意識を集中する。

 ・・・―――仲間さんたら仲間さんたら仲間さんたらーっ!!昼間は怒ってるみたいだったのに、何でこんな事に――――――――

「あ」

「え?」

 思わず顔を上げてきゅうりと視線があい、また慌てて下を向いた。

「・・・仲間さんに、何か言われました?」

 するときゅうりはうんざりしたように天井を見上げ、首の後ろをさすった。

「・・・殴られた」

「・・・はい!?」

 何だと!?私はつい驚いてきゅうりを真っ直ぐに見詰める。殴られた!?怒られた、ではなくて!?

「いきなり給湯室まで来てってすごい剣幕でやってきて、ついていくと、ビンタされた」

「―――――――――――」

 ひょえー!!!

 まだ何の事情もわからない内に、何という行動力だろう。色んな意味で、怖い女性だ!