トマトときゅうり



 きゅうりは鞄を足元に置いて、コートを脱いだ。

「帰った。瀬川さんに謝っておいてって言ってた。・・・今更だけど、入っていいか?」

 って、もう入った後じゃん。まあちゃんと今更だけどって言ってるけど。

 シリアスな場面であっても思わず突っ込みをいれてしまうのは、関西人の悲しい性か。

「・・・仲間さん、クリスマスプレゼントって・・・」

 ・・・プレゼントって、まさか・・・きゅうり?!

 少し居心地が悪そうに視線をさまよわせるきゅうりをみて、気がついた。

 きゃああああーっ!!

 私ったら、ノーブラにキャミソールを着ただけでパーカーもしめてないし!てか、足!足も出しっぱなしだったーっ!!

 勿論ノーメイクだし、洗ったばかりの髪はまだ濡れた状態でおろしてある。いかにも、な、お風呂上がりスタイルだった。

 身体中赤くして、敷いたままの布団から毛布を取って体に巻き付ける。

「ななななっ・・・何しにきたんですか?!」

 胸元まで毛布を引っ張り上げて、上擦った声で叫んだ。

 きゅうりは彷徨わせてた視線を私に戻し、端的に言った。

「話をしにきた」

「・・・話、とは・・・何でしょう」

 ごっくん。緊張でたまった唾を音をたてて飲み込む。ガッチリと毛布を掴んでいた。