トマトときゅうり



 5秒ほど、見詰め合ってしまった。

 きゅうりは、驚いて。私は、状況が理解出来なくて。

 きゅうりのコートの裾がはためいて、冷たい風が私に当たる。そして、やっと現状を理解した。

「きゃああ!!」

「うわあ!」

 私は驚いて後ずさり、玄関の踏み段で足を引っ掛けて後ろに尻餅をついた。

 私の声に驚いたきゅうりも、少し身をひいてこちらをみていたけど、私より先に正気に戻り、さっと玄関に入ってきて、ドアを閉めた。

 バタン。ドアの閉まる音が大きく部屋の中で響いて消える。

 冷たい空気も入って来なくなった。

 春のように暖められた私の小さな部屋に、座り込む私と、立ち尽くすきゅうり。

 咳払いをして、最初に声を出したのはきゅうりだった。

「・・・驚かせた。ごめん」

 私はまだ声が出ないまま、唖然としてきゅうりを見つめるばかり。

 ・・・え?あれ?・・・仲間さんは???

 なぜきゅうりがここに?

「・・・な、仲間さん、は?」

 やっと声を出す。