トマトときゅうり



 口を、開きかけた。

 きゅうりに体ごと向き直って、私は想いを口にしようとした。

 だけど、きゅうりの言葉が先に聞こえたのだ。

「・・・青山に、嫉妬したんだと思う」

 ハッとした。

 え――――青山?・・・何で、ここで、青山さん?

 嫉妬って、一体何に?

 出鼻をくじかれた格好で、私の頭はパニックに陥る。ええと?どういうことかが判らない・・・。

 頭の中に、きゅうりに追求された場面が鮮やかに蘇った。

『青山にキスされて、『本当に嬉しかった』のか?』

『抱きしめられた?』

『告白?やっぱり青山が好きだったのか?』


 カッと全身の血が燃えたかと思った。

 青山さんが、私にキスしたから?

 それでなの?

 私が好きだとか、私にキスをしたかったから、ではなくて・・・からかって遊べるお気に入りのアルバイトに、後輩の営業が手を出したと知って、ムカついただけ?