トマトときゅうり



 漸く私に覆いかぶさっていた体を引き起こして、きゅうりが運転席に収まった。

 私は息も絶え絶えで、全身を真っ赤にしてとろけていた。気持ち的には、自分に2本の足がついているなんて信じられない。

 お腹の下のほうからくすぶるような熱さが上がってきて、体中を満たす。その激しさに体が震えた。

「――――――車、出すから。ベルトして」

 自分のシートベルトを引っ張って着け、きゅうりが言う。

 ハッとして目を開けた。

「――――・・・・あ、はい・・」

 うまく声が出なくて、咳払いをしてから返事をした。


 ――――――――――――・・・今、何が起こったのか聞きたい。


 いや、起こったことは判っている。

 なんで、ああなったのかが知りたい。

 震える手で何とかシートベルトを引っ張ってつける。金具にうまく入らなくて、やたらと苦労した。

「出すぞ」

 小さく言って、きゅうりは車を動かした。