トマトときゅうり



 く・・・・・くくくくく苦しい~!!

「っ・・・くす・・・も・・・」

 切れ切れに名前を呼び、腕を叩く。その間にも舌が絡まり、唇を噛まれる。合間に挟まれる荒い呼吸で車内の窓は白く霞む。

「・・もうちょっと」

 きゅうりが低く呟き、また、優しいキスに変わった。

 押し付けて、包み込み、唾液を混ぜる。

 音を立てて、何度も何度も顔を近づける。

 ・・・ああ、もう駄目だ~・・・。わたしは既に流されるまま。

 考えることは諦めよう。だって、だってこんなに気持ちがいいんだもの。温かくって、柔らかい。こんなにこんなに気持ちいいんだもの・・・。

 さっきまでの凍えるようだった身体はすっかり温められて、二人の吐息で車内の温度も上がっていく。


 頭も体も心も全部トロトロに溶けてしまって、私は海を漂っているようだった。

 心地よさにうっとりとなる。


 ・・・なんて、上手なんだろう・・・。


 やっと後頭部から手がするりと抜かれる。

 きゅうりも荒い息をしながら、こつんと額をつき合わせて目を閉じていた。

 声にならない。何て言えばいいかも判らない。

 もう一度頬を撫でられる。私は目を閉じたまま。