何とか呟くように口に出した。
「・・・えーと・・・もう一つ、前」
「告白?やっぱり青山が好きだったのか?」
きゅうりが意外そうに声を少し上げる。私は肩を落としてため息を零した。
「・・・違いますけど。私を好きになってくれる人がいるんだ、と思ったらとても嬉しかったんです。自信にも・・・なりましたから・・・」
小さな声で呟く。
こんな気持ちはきゅうりには判らないだろう。
2年間の就職活動で断られまくり、自尊心はもうほとんど原型を留めてなかった。生活していくのにいつも一杯一杯で、腰の落ち着かない、不安定な精神を抱えていた。そんな時に、君が好きだと言われた。あの言葉が、どれだけ優しく希望を持って心に染みこんだことだろう。
下を向いて固まっていたら、きゅうりは私が作った二人の距離を、たった一歩で縮めて近づいた。
ビクッとして反射的に顔を上げたら、真面目な顔をしてきゅうりが見下ろしていた。
「・・・もうかなり寒くなって来てるし、とにかく部屋まで送るから」
いつも通りの声と調子だった。
――――――追求は、これで終わったのかな・・・?
微かに頷いて、きゅうりと並んで車まで歩く。体が冷えてて、足が思うように動かなかった。
明るいイルミネーションを通り抜けて、影に止めてあった車によろよろと向かう。



