トマトときゅうり



「ん、当たりか。・・・まだあるのか?」

 いえいえ、もう、本当に何も!の思いを込めて、首をぶんぶん横に振る。

 なのにそれは役には立たなかったようだった。

 きゅうりは顎に手をあてて、こちらをじっと見ながら言った。

「告白・・・抱きしめたなら―――――――誰もいないとこだったんだよな。うん・・・俺なら、キスをする」


 口が開いて塞がらない。

 完全に酸欠になった脳みそが目の前に星星を散らせる。


 ・・・どうして全部判っちゃったんだろう。

 眉間に皺をよせたまま口角をあげたきゅうりは、美しい悪魔に見えた。

 角が生えてないのが不思議だわ、なんて考えれたのは、頭が麻痺してた証拠だ。

 もしかして、生えてるとか?そうだったとしても驚かないけど、私・・・。


「――――で、青山にキスされて、『本当に嬉しかった』のか?」

「い――――いえいえいえ!何でそこなんですか!?その前です、嬉しかったのは!」

「抱きしめられた?」

 くらりと眩暈を感じる。うう~・・・お願いですから、もう思い出させないで下さい~・・・。ああ、泣きたい。