東京ロミオ


「―――で、こんな感じですね。」


少し薄暗い店内、

大音量で響きわたる洋楽の重低音、


初めて降りた駅の、

初めて来たキャバクラ。


緊張でいっぱいの私には、
説明なんて半分も耳に入ってこなかった。


「―――と、そうだ!名前、どうしますか?」


滝田さんが、説明の最後に付け加えた。