東京ロミオ


Club Angelo ―――


そう書かれた扉を開けると、店内から、ドッドッドッ♪と洋楽のヒップホップの音が溢れてきた。


「説明までは、僕もちゃんといますから。何かあったらすぐに言ってください。」

「あ、はい。分かりました!」


田崎さんは、見た目はチャラチャラしてるし、普段の発言や行動が変わってるけれども、面倒見がすごくいい人だったりする。


「あれ、店長いないの?」

「あ。今、店長いないんで僕から説明させてもらいますね。」


田崎さんの問いに答えたのは、背の高いロン毛の男性。

雰囲気でイケメンに見えるけど、顔は全然タイプじゃない。


「先に、これに分かる範囲でいいので記入お願いします。」

「あ、はい!分かりました。」


名前や住所、勤務希望日数などを記入するような、簡単な履歴書を渡され、書き始める。


これが、滝田 瞬(たきた しゅん)との出会いだった。